投稿: 2022年5月11日
編集済み: 2023年6月8日
寺院の堀におけるナノバブルとプロバイオティクスによるアオコの発生防止と水質改善
京都の堀の歴史
京都にある美しい堀のある寺院では、ボランティアグループが堀を清掃し、定期的なメンテナンスを行って堀を維持していましたが、ボランティア高齢化のため、グループは 1998 年頃に堀の維持管理を停止しました。その後 20 年間、維持管理が行われず、状況は年々悪化しました。この間、落ち葉や魚の糞などの自然汚染物質は取り除かれず、過剰で制御不能な水生植物の繁殖が起こりました。一方、京都には観光客が年々増え、度重なる堀へのゴミ投棄事例も起こりました。これにより、不透明な水で堀の底が見えない状態となり、加えて、悪臭、魚の死亡のという状況を引き起こしました。さらに夏季には、藻類の花がますます頻繁し、制御不能な悪循環に陥っていました。
全長約810mの堀
京都の中央駅近くに所在する東本願寺(真宗本廟)は、1604年に創立されました。世界最大級の木造建築物であるお堂や山門が存在する、長い歴史を持つ寺院です。これらの一部は何度か焼失し再建されています。寺院外周には、長さ約810メートルの堀があります。 国内だけでなく海外からも多くの人々が訪れる人気の観光スポットです。堀の水は、日本最大の淡水湖である琵琶湖から来ており、古代の地下水網を介して運ばれています。 東本願寺に到着した水は、寺の北側の堀へ汲み上げられ、その後ゆっくりと南側の堀へと流れていきます。
ファインバブル x プロバイオティクスの水質改善プロジェクト
2018年、アクニティは造園業者と寺院の管理者と連絡を取り、堀を健全な状態に戻す計画を立てました。
計画は次の内容で構成されました。
- 問題点調査および溶存酸素量などの事前モニタリング
- 春と秋に花や落ち葉などの余分な自然汚染物質を清掃
- 年に1~2回過剰繁殖で堀の水の流れを阻害する過剰な水草を除去
- ゴミを水に投棄させないよう堀横のタクシー乗り場に看板を設置
- 造園会社に協力をお願いし剪定ごみの崩落を予防
- 酸素濃縮器付ウルトラファインバブル(ナノバブル)水中ミキサ2台を設置し自然バクテリアの活性を促進
- 必要に応じて自然プロバイオティクスを散布(下記は低頻度・春夏期は高頻度)
成果
プロジェクト開始から 3 か月で、明らかな結果が目に見えはじめました。悪臭や魚の死亡が止まり、水の色も不透明から透き通った色になりました。春夏期の気候条件に応じて、バブル発生器の稼働時間を長く調整し、より集中的な清掃プログラムを行います。夏の高温ピーク時には、午後 6 時から午前 7 時(日没から日の出)まで、最大 13 時間連続稼働させます。夏の日中、植物の光合成による自然の酸素生産で水中の酸素量は十分ですが、問題は光合成で酸素が生成されない夜間です。この間の酸素を補うことで、化学薬品を用いない自然浄化を促します。継続モニタリングでは、初年度のDO レベルは 4.5 ppm から 9 ppm の改善を示しました。プロバイオティクス散布による自然バクテリアの補強は、冬よりも夏に集中的に行います。春と秋は月に2回程度、夏は2~3回程度、冬は8週間ごとに実施します。
最後に、水質の改善に気づいた日本のブロガーが、肯定的なコメントをいくつか掲載されていました (日本語のみ)。特にこのブロガーは水の透明感に感動されていました。
彼女のコメント:
お堀の水のアクエリアス感にびっくり*東本願寺*